睡眠の科学
睡眠の一般的な知識として、肌の調子の悪さ、仕事のパフォーマンスがどうしても上がらない、体重が前より増え始めている、朝なんだかイライラするなどなどが挙げられると思います。
ですがその睡眠による寝不足の仕組みについてご存知の方はいらっしゃいますか?
本記事はそこに焦点を当てて説明していきたいと思います。
寝不足になる理由
寝不足になるのは端的に言えば睡眠をうまくとれていないからです。言われなくても分かってるよという方が多いと思うので、少しだけ補足すると、自分の本当の適切な睡眠時間で眠れていないからです。
というのも睡眠時間とは人によって様々で、6~7時間が丁度良いという人もいれば、3~4時間睡眠をとっていれば十分という人もいるからです。
そしてその丁度良い睡眠をとれているかどうかを知るには翌朝の体調が優れているかどうかで判断してください。気分がすっきりしているなと感じることや、今日は頭がよく回るなと思った時などがそれに該当すると思います。
簡単な検査をするのであれば目をつむって片足立ちをしてみてください。すぐにぐらつくようであれば睡眠不足になっていると判断して良いでしょう。
本来のバランス感覚がない方には申し訳ないです。
加えて睡眠不足の方には、ある兆候が出てきます。この兆候は皆さんも普段からしているような事です。もし思い当たる節があったのならば気をつけた方が良いでしょう。
睡眠不足の兆候
1.飴を最後まで舐めずに噛むこと
私も普段から抑えられなくなってしまうのですが、飴を最後まで舐めきれなかったらこれは脳からの警告サインです。
噛むという行為はリズム運動にあたります。
リズム運動とは、ウォーキングや軽いジョギング、呼吸や、ガムを噛むといった事です。ある一定のリズムを同じように繰り返す事だと思っていただいて構いません。そしてこのリズムにはセロトニンという物質を脳内で分泌する効果があります。
このセロトニンという物質は気分がスッキリしたり、記憶力や学習能力の向上、更には情動行動、衝動行動の抑制を働きかけてくれる作用があります。
詳しくは以下のリンクから
このセロトニンを出す効果。これを飴を噛むという行動を通して無意識にやっているとしたら、それは逆に言うと気分が悪いから脳がセロトニンを出させてくれと言っているようなものです。つまり脳が気分を安定させようとしてセロトニンを出すよう体に指令を送っているということです。
これは睡眠が不足し、気分がすぐれないということを暗に示しています。
2.夜中にお菓子を食べてしまったら
夜中にお菓子を食べたくなることはままあり、ついつい手を伸ばして一口パクリと口に入れてしまうものですが、口に入れて咀嚼した時点でアウトです。
この時実際に空腹はありません。
6時起床する方は20時頃には胃酸のピークを終えているからです。
ではなぜ空腹を感じるのかというと、脳の覚醒レベルが低下すると脳がエネルギー不足だと判断し、満腹を感知するレプチンという物質が減るので、満腹感が減り、空腹を感じます。加えて胃や小腸から分泌される、食欲を刺激するホルモンであるゲレリンが増え、無性に食べたくなるということです。
とはいうものの睡眠不足のあるなしに関係なく空腹は感じてしまいます。ですがそこで抑制できるかどうかは睡眠の不足かどうかに大いに関係があるのです。
睡眠について
私たちが朝目が覚めて、夜に眠るといった極一般的な生活を送れるのは人間の体に備わっている、活動と休息を与えてくれる生体リズムが働きかけてくれているからです。この生体リズムには様々なものがあり、睡眠覚醒リズムや体温のリズム、概日リズム、ホルモン分泌リズムといった体の中で独自の時間を刻んでいるリズムがあります。
そして特に睡眠に関係してくるのが生体リズムの一つである概日リズムです。
概日リズムは約25時間の周期があり、規則正しい生活をとらないとどんどんリズムが後ろにずれていきます。
その約25時間のリズムを調整する役割を担うのが光です。毎朝、リズムをリセットし、24時間になおすために起床から約3時間前までの間に、2,500ルクス以上(※)の光を浴び、規則正しい生活を心がけることで、概日リズムを調整できます。引用-快眠コンソーシアム
概日リズムは約24時間とも約25時間とも言われていますが、ここでは個人差を考えて
24時間+−4時間というのを考えています。
リズムが後ろにずれていくことによって夜の睡眠は浅くなり、昼間は脳の覚醒が低くなるという悪循環ができてしまいます。よりひどくなると昼夜逆転してしまいます。
こうした眠くなるというのは周期的なものであり、体に備わっている機能的なことです。脳を休ませ、細胞の修復や、記憶の整理、免疫力を向上させることで翌日に疲労などを残さないようにしています。
このように睡眠にも重要な役割があり、私たちは一日を無事に過ごすことができます。
また睡眠を怠った結果、睡眠障害や生活習慣病にかかる可能性もあるので睡眠の質を上げていくことが必要になってくるでしょう。
私も最近夜寝るのが遅くなってきているので改善せねばと思う次第です。